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香が視界に入った途端に世界が色づく。
香が<俺>はここにいいのだと言ってくれたからだろう。あの瞬間、香に堕ちたのだと思う。
恋に落ちた俺は失敗の連続だった。
自分でも怖いほど完ぺきに何でもスマートにこなせたのに、どんな力が働いているのか、完璧なんて程遠く焦りや戸惑いが俺を何度も揺さぶってくれた。
だからだろうな。
こんな何でもない瞬間に『好きだ』なんて囁きたくなる。こんなの俺じゃないと<俺>が叫ぶから、ひらきかけた口を慌てて閉じるのだけど。
「何?」
「んーん、ただ香ちゃんのココにももう少し恵みがほしいな、と」
俺の行動に不信感を覚えたのか首を傾げた香に、俺はにっこり笑って、そのちょうど良い大きさの、柔らかくて張りのある膨らみを揉む。
「春だからって真昼間から盛るんじゃない!」
10秒にも満たない幸福の代償は重たいハンマーの洗礼だった。
「痛たたた」とはい出せば、顔を桜色に染めた香が「バーカ」と舌を出してクルリと背を向けた。
コメント
素敵なお話、リクエストに応えて頂きありがとうございました。(*^^*)
その辺りの女性とは違う香ちゃんから与えられる色(光)は獠にとっては
何よりも嬉しい事なのかなと
長年の天邪鬼が素直になるのは大変ですけど、素直になったらたくさん「好き」と「愛してる」が言えるようになるんでしょうね。