シティーハンターの二次小説で、奥多摩後で恋人同士の獠と香(リョウ香)です。
B’zさんの「Wonderful Opportunity」をイメージして、インフルエンザに罹った香と『ウイルス退治』をする獠の話です。
旧タイトルは「面会謝絶」です。
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「インフルエンザ!?」
急に高熱を出した香に驚いてドクを呼び(向かいの家のかずえは学会)、獠の慌てようを楽しみながらドクが下した診断は『インフルエンザ』だった。
「流行っておるとニュースで言ってるじゃろが」と、意外性を顔全面で表現する僚にドクは呆れた。
「俺かかったことないし、身近にもいなかったからな」
「ウイルスも憑くやつを選ぶんじゃろ」
医師のくせに非科学的な、とドクの言い分に獠は呆れるものの、「原因不明」の原因が分かって安堵する。
そんな獠にドクも表情を緩め、
「健康的な若い女性が死ぬ病気じゃないし、薬の効果もすぐに出るだろう。で、これはお前さんのだ」
放り投げられた薬に獠が首を傾げると、「ぜ~ったいにうつるからな」とドクは笑って予言めいたことを言って去っていった。
「まあ、うつるかもなぁ」
インフルエンザの特性、特に感染ルートを思い出しながら獠は苦笑いを浮かべ、ドクが乗る車が走り去るのを窓から見送ってトラップのスイッチを入れる。
そして地下の備蓄庫に向かい食料のストックを確認し、多少心もとないが万が一のときは香に甘い喫茶店のオーナー夫婦がどうかすると思い直して倉庫を出た。
そして階上で香の気配が動くのに気付いた。
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「もう大丈夫なのか?」
「大丈夫。インフルエンザの薬ってすごく効くのね」
「あのつらさが嘘みたい」と言いながら、リビングに入ってきた香に獠がタオルを渡すと香は湿った額にタオルを当てる。
汗まじりの香のニオイが獠の鼻腔をくすぐり、高熱の余韻で目を潤ませて頬を紅潮させる香は女っぽさが際立っていて
「本当に大丈夫なんだな?」
「うん、依頼だってこなせそうなくらい元気よ」
そんなに心配させてしまったと香は慌てて僚を安心させようとしたが、「そーか、そーか」とニコニコ笑って歩み寄ってくる獠に香の本能が危険を察知して反射的に一歩僚から退く。
もう一歩と後ろに下がろうとした瞬間。
獠の大きな手が香の腕をつかんで大きな体の方に力強く引っ張り
「無理するなよ。俺がちゃ~んとキレイに洗ってやるから♡」
「へ!?」
吃驚する香を獠は軽々と抱き上げると、危なげなく長いストロークでバスルームに向かう。
あまりの展開に香がハッと我に返り、「病気がうつる」といって慌てて静止したときにはもう脱衣場の中だった。
「大丈夫、大丈夫。問題ないったらない」
「いや、問題だらけだから!」
「だから出ていけ!」と押し出そうとしたが、香の力では男の大きな体は動かず。
そんな香を気にも留めず、獠は鼻歌を歌いながら香のパジャマのズボンに手をかけ一気に下ろす。
「きゃああ///!」
「おっ、かぁ~わいい悲鳴だこと♡」
パジャマのズボンを下ろされて剥き出しになった下着姿に香は悲鳴をあげて
「そんだけ叫べれば元気、元気♡」
獠は逃げようとする香を片腕一本で抱え込み、器用に香のパジャマを脱がせて自分の服も器用にぬいでいく。
「りょおぉ~」
野性味溢れる獠の裸の胸から照れくさそうに眼をそらす香だったが、その顎を獠は優しくつかんで自分に向けさせる。
獲物を狙うような男の視線に射止められて香は動けなくなった。
「おまぁの中に俺以外がいるってのが赦せない」
「あんた以外って……ウイルスだよ?」
「ウイルスでも気にくわん。そもそも、俺以外に熱くされるのが赦し難い。お仕置き、だな♡」
にっこりと真剣な目で笑う獠の言葉に香は呆れ、ため息をついて観念すると獠の首に腕をするりと絡めて、
「そう言うなら一匹残らず退治しなさいよ?」
「任せとけって。俺はナンバーワンの掃除屋だぜ?」
「全く」とブツブツ言いつつも、体は素直に自分にすり寄る香に獠は笑う。
そして手早く残りの服を脱ぐと、香の体を抱き上げてバスルームの扉をあけた。
END
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