名探偵コナンの二次小説です。
名探偵コナンの二次小説で、新一+平次+ダークバッチ組で、CPは原作通りに新一×蘭、平次×和葉。
降谷零×榎本梓(ふるあず)、赤井秀一×宮野志保(秀志)は私の妄想CPです。pixivではまりました。個人的には秀志が好きです。
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「米花町に行くけれど一緒に乗っていくかい?」
事件を無事解決した新一と平次に、送ると申し出た降谷は愛車を停めてある駐車場に2人を案内する。
グレーの国産車が多い駐車場で降谷のRX-7は街灯の光を受けて白く輝いていた。
「俺が後ろに乗せてもらうから。服部、お前が助手席に行けよ」
「まったく、今日は安全運転に決まってるだろ?警察官なんだから」
降谷の運転にあまりいい思い出がない新一は助手席を平次に押し付け、自分はさっさと後部座席に収まりシートベルトでしっかり体を固定した。
「これから米花に行くって、『ポアロ』ですか?」
「ああ、今夜はカラスミパスタと決めていたんでね。君たちが協力してくれたおかげで明るいうちに帰れたよ」
「もしかして、そのために俺らを呼んだんか?」
「あはは、そんなわけないだろう。困っていたのは本当だ」
この人なら絶対にやる、という視線を向ける新一に降谷はくすりと笑い、ククンッとギアを操作してRX-7の優美な車体を交通の流れに乗せた。
「どこかで飯を食っていくなら、適当な場所でおろすよ?」
「ポアロで一緒にって言わないのが降谷さんですよね」
「安室の兄ちゃんだったら誘ってくれたな」
「残念、俺は野郎の顔よりも梓さんの可愛い顔を見ていたい。コナン君ならまだ赦せたかな」
そんな降谷に新一が苦笑したとき、ポケットに入れっ放しのスマホが音をたてる。
メッセージの主は蘭だった。
「蘭か、どうした?」
『どうした、じゃないわよ。降谷さんから呼ばれたって出て行ったっきり帰ってこないから、和葉ちゃんと二人で心配してたんだから』
「悪い、悪い。いま降谷さんの車でかえっているところ。服部も一緒だけど、飯ある?」
『んもう、必要なら作るけど早めに連絡ちょうだいよね。和葉ちゃんだって、今日の夕飯がいるかどうか悩んでたんだから』
「子どもじゃないんやから勝手するってのに」
平次のいつもの悪態にかぶさるように小さな舌打ちが聴こえたと思ったら、車が急に路肩に停まって新一の手からスマホが奪われる。
『あ、降谷さん、こんばんは』
「蘭さん、こんばんわ。全く、貴女も遠山さんもこんな大きな子どもたちのお世話を毎日大変ですね。会話を聴いていて呆れてしまいました。少しお説教したいので、帰りが少し遅くなります」
『え、あ…はい』
「私くらいの年になれば、家のことをやってくれる存在のありがたさを痛感するのですが、この子たちには未だ分からないようですね。どうです?これを機にもっと大人の恋人を作られては?」
『…そのときは宜しくお願いします』
笑いつつも降谷の提案を受け入れるような蘭のセリフに、はじめて蘭が怒っていたのだと気づいた新一は青くなる。
そして蘭との通話を終えた降谷が新一にスマホを放り、代わりに自分でかけ始めた電話相手が誰だか気づいてため息が出た。
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「おはよう、そちらは”こんばんは”かしら。この悪ガキたちが今度は何したの?」
朝から珍しい、と思いながら電話に出ると予想を外して項垂れた表情の新一と平次が映っていた。
『こんばんは。志保さん、聞いてくれますか?』
「ええ、聞きましょう」
降谷の口がいきさつを語ると、志保の滑らかだった眉間には深くシワが刻まれ、それに気づいた二人はさらに小さくなる。
「こんなガキに彼女たちは勿体ないわ。降谷さん、警察の有望株をすぐに紹介してあげて。あ、ちょうど良かった」
かちゃりとドアノブが変わる音に後ろを見れば、未だ眠そうな目でリビングに入ってくる赤井が目に入り
「FBIの優秀な男性捜査官を5、6人見繕って欲しいの」
「別に構わないが、君は浮気相手を俺に探させるのか?」
可笑しそうなバリトンヴォイスが聴こえたのだろう、頭が上がらない三番目の強者の登場にMomma’s Boyたちはさらにさらに小さくなる。
志保が端的に状況を説明すれば、赤井はふむと考えて
「今すぐ彼女たちに飛行機のチケットを贈ろう。ついでだから真純も呼んで、グループデートを楽しめばいい。ドレスでもなんでも俺のカードを使って揃えてやってくれ」
「あら、じゃあ欲しかったあの紅いバッグも買っていい?」
「別に構わんが、君もグループデートに参加するのか?」
「いけない?」
「いけなくはないが、その間俺はどうすればいい?デリバリーピザで一人寂しく映画鑑賞か?」
「あら、ここに浮気相手を招いていいのよ?」
「君より素敵な浮気相手を見つけられたらそうしよう」
『おい、スパダリ野郎。三徹の俺の前で楽しくやるな』
「おや、降谷君、Good evening。どの様子だと”喫茶店の君”と未だまとまってないな」
『でっかいお世話だ』
「はいはい、Boys。 そこまで、そこまで」
日付変更線を挟んで軽口をたたき合う二人の間に入った志保はため息を吐き
「いま蘭さんに飛行機のチケットを送ったわ。返事次第で貴方のホテルも予約するわね」
「近くにしてくれ。彼女たちが眠ったら君が抜け出して来られるようにな」
『糖度過多な台詞を吐かないと死ぬのか、お前は』
「この先は独り身の君に申し訳ないので通話を終えようと思う」
「あら、本当に電話を切ったの?」
「まあ、坊やたちも反省しただろう。志保、本当にチケットを送ったのか?」
「ええ。オープンチケットだから夏休みにでもこっちに来てもらおうと思って。有希子さんも蘭さんとショッピングしたいって言っていたし」
「グループデートは?」
「あら、私も参加していいの?」
「その代わりに俺とデートしないか?」
「例の紅いバッグで手を打ってあげる」
「俺は何で手を打てば?」
「デートの最後にホテルのスイートで甘~い夜、でどうかしら?」
「ナイトキャップは”バーボン”にしよう」
「…あなた、本当に彼が好きよね」
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