平成のホームズの苦悩 / 名探偵コナン

ダークバッチ

名探偵コナンの二次小説で、新一×蘭、赤井秀一&宮野志保、降谷零&榎本梓です。

pixivで「秀志」「ふるあず」のCPに萌えて妄想しました。シリーズになっています。

第三弾は健気なヒロイン・毛利蘭の恋人、平成のホームズ視点です。

第一弾「看板娘の爆弾発言」

第二弾「天才科学者のスパダリ」

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宮野の作った薬で元の体に戻った。

黒の組織壊滅前から彼カノになった蘭とも正々堂々と恋人同士。

充実したキャンパスライフ。

加えて、コナン時代に縁ができた降谷さんや赤井さんの事件を手伝う。

やりがいがあり、解決したときの達成感は半端ない。

右見ても、左見ても充実している。

それなのに…梓さんが投げた【強盗が押し掛けたら】爆弾

今朝のポアロでの一幕は、俺の心のある部分を剥き出しにしてくれた。

「どうしたの、新一?」

大きな瞳をこちらに向ける蘭。

美人で優しくて、俺の自慢の、俺の恋人。

蘭の瞳の中の心配そうな色を払拭したくて「何でもないよ」と笑って答えたが、俺の内心は荒れている。

そう、問題は他でもない。

蘭のこと。

何しろ俺の彼女はメチャクチャ強い。

外見は「虫も殺せません」って天使だが、実は空手のインカレで優勝するほどの武闘家。

そもそも、そんな肩書きを得る前からも蘭はめちゃくちゃ強かった。

イージス艦に乗り込んだテロリストや黒の組織のコードネーム持ちとも戦った経験がある。

彼らには一歩及ばなかったが、SEAL出身の元軍人には勝った。

蘭の武勇伝は少年探偵団の語り草だ。

『京極さんみたいにライフルの弾を避けられないけれどね』

そういって「まだまだ」という蘭。

いや、ピストルの弾を避けられるだけでも普通じゃねえから。

すごいから。

そもそも比べる相手が悪い。

あの人は人外だ、人間じゃない。

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俺の、工藤新一のよいところってどこ?

『元の体に戻ったメリットって……背の高さくらい、ね』

優しさのかけらもなくそう言い放ったのは、俺と同じく元の体に戻った宮野志保(元・灰原哀)。

「もしかして」と思っていたことをズバッと肯定されて、俺は柄にもなく落ち込んだ。

確かにコナンのときみたいに上手くスケボーは操れない。

スケボーの性能はコナン時のままだから、体重がある分いまの体では動きに限界がある。

頭脳は変わらないから、コナンのままでも問題なかった。

したがって、「元に戻って良かったね」と思われるのは背が伸びたところくらいだ。

これだって降谷さんや赤井さんより低いのだから武器にはならない。

「新一って降谷さんと赤井さんと仲が良いよね。二人といるときの新一って”弟”みたい。」

蘭の言う通り俺はあの2人に可愛がられていると思う。

俺もあの2人のこと好きだし尊敬しているからそれは嬉しい。

あの2人に手伝って欲しいと言われことはとても誇らしい、その手伝いの9割が2人の橋渡し役であっても。

『Cool Kidがいないとコーアンと共同戦線なんて絶対無理だわ』

「お互い優秀なのに勿体ない」と嘆くのはジョディ先生。

黒の組織のように犯罪者や犯罪に国境はないのに、取り締まる側に国境があるのは可笑しいという上層部の判断により公安はFBIやCIAと協力して仕事をすることが増えたらしい。

その結果、降谷さんと赤井さんの顔を合わせる数が増え、2人の諍いが激増した。

俺から見ればよく似た2人。

彼らの諍いが手を付けられなくなるたび、俺はクッション材としてジョディ先生や風見さんから呼ばれる。

最近では探偵よりもクッション役の方が多いくらいだ。

そう考えると…頭脳だってコナンの方が役に立ってたのかもしれない。

自分で考えた想像に凹んだ。

あまりに凹んだから、相も変わらず仲良く罵り合うふたりに言ってしまった。

「いっそのことトコトンやりあってスッキリしたらどうですか?」、と。

その結果は…いま思い出しても全身がギューッと痛む。

「そういえば。さっきの梓さんの”もし”だけど、新一を人質にとったら絶対にダメだよねぇ」

隣を歩く蘭の言葉にハッと我に返る。

久しぶりに現実に戻った俺の脳は正常に動かず、ぼうっとした頭に蘭の言葉が染み込んでくる。

「新一が人質になったら絶対に降谷さんと赤井さんが出てくるでしょ?新一のためだもん、昨日の敵は今日の友で共闘してくれるわよ。ひとりでもあの強さじゃない?新一のための最強タッグよ」

以前乗った降谷さんのRX-7の助手席を思い出す。

もし俺が人質になったら、あんな風に命をかけて必死にかけつけてくれるだろうか。

そのとき赤井さんは?

降谷さんの車の助手席に乗っている赤井さんの想像がつかなかったから、赤井さんはきっと緋色のマスタングに乗って駆けつけてくれるだろうか。

爆走する赤と白の車を思い浮かべて笑ってしまう。

「もしかして俺、最強じゃねえ?」

「そうよ。新一は私たちをずっと助けてくれた。だから今度は私たちが命がけで助けるのよ」

…もしかして、蘭は『江戸川コナン』の真実を知っているのかもしれない。

思わず問うような視線を蘭に向けたが、蘭はただ優しく微笑むだけ。

気になるけれど、俺は蘭の優しさに甘えることに決めた。

END

平成のホームズの苦悩 / 名探偵コナン

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