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「あー、笑った」

こんなに笑い上戸だったのか、とキョーコが驚くほど大笑いした蓮が顔を上げると、キョーコはもっと驚く。

「敦賀さん、コンタクトは?」

「ん? ああ、どっちかのが取れたんだ」

キョロッとシーツや手元を確認した蓮は、ポツッと落ちていたコンタクトを拾ってベッドボードに置く。

「色変えるだけだから視力に影響はないから大丈夫…って、暑っ。笑い過ぎて汗が止まんない。緊張も吹っ飛んだ」

髪から落ちる汗を無造作に拭った蓮は上に着ていたシャツを脱ぐ。

上半身裸になった蓮にキョーコは心臓を放出しそうになったが、それより前に蓮の言葉が琴線を弾く。

「緊張?」

「そりゃ緊張するさ。まあ、自慢できる話じゃないけど、好きな人とするのは初めてだし」

「…初めて」

「うん、初めて。 だから、ほら」

そう言って蓮はキョーコの手を取って、裸の胸に触れさせる。

あまりにそ仕草が自然で、あとからやってきた羞恥が手を引かせる前に、掌を叩く心臓の大きな鼓動。

しかも自分と同じくらい早い。

「納得してくれた? じゃあ、キスしよう」

「じゃあって」

「格好つけてリードしたら散々な言われようだったからね。だから一つ一つ確認しながら、どう触れられるのが好きなのか、どうやったら感じてくれるのか学んで行こうかと」

「ぶっつけ本番だね」

神々しい笑顔を向ける蓮にキョーコは目を剥き、色の違う左右の目に射すくめられ、

「過去の経験もまっさらに…俺の余裕をキョーコがゼロにしたんだからな、覚悟しろよ」

柔和な紳士の瞳が瞬く間に野生の獣の様な瞳に変わり、プチリと理性を切った蓮は本能の赴くままにキョーコに噛みつくようなキスをした。

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