スリップしたの、してないの?

スキップ・ビート!

スキップ・ビート!の二次小説で、「スリップには要注意」の続きSSSです。

設定は引き続き、蓮とキョーコは恋人同士で、キョーコは蓮が「クオン」だと分かっているが日本では「蓮」のままという設定にしています。

一井かずみ先生「私が恋などしなくても」最終巻(9巻)に影響を受けて作りました。

一井先生の作品は全体的にキュンときて本当に妄想がはかどり(?)ます。

私が恋などしなくても(9) (フラワーコミックスα)

女性コミック誌の編集者・結芽と、敏腕編集者・成川は恋人同士。

まんが編集の仕事にやり甲斐を感じ始めた結芽だけど、ベテラン作家・真生との向き合い方に悩み、さらに夢だった文芸局から異動の打診を受ける。

そんな中、成川との関係にも変化が…?

まんがみたいなリアルラブ、堂々完結!

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まぶたを射す陽の光に刺激されてキョーコの意識が浮上する。

まぶたをさす光は未だ弱い。

早朝だからか、曇りだからか。

確かめようと頭上に手を伸ばそうとして、ここで初めて違和感に気づく。

「ひいっ!!」

ドラマの中のヒロインなら即降板の、色気もない悲鳴を上げる。

まあ、これも仕方がない。

誰かと共寝するのはもちろん、その共寝の相手の極上の美しい寝顔が自分の目から数センチのところにあるのだから。

(そうだった……腕が、重い)

昨夜を思い出して脳がシュウッと音を立てるほど発熱し、冷静にならねばと蓮の寝顔から距離を取ろうとしたが体にがっちりと回った腕が重かった。

しかし、このまま状態を維持する行為はキョーコには上級過ぎた。

視界のほとんどを占めるのは蓮の寝顔で、その長い睫毛の数も数えられてしまえそうなほど。

(朝日があたって神々しい…けど、魔王に見える)

恐らくそれはキョーコの昨夜の記憶によるものが多いだろう。

「大丈夫か」と何度も問い、その手は優しくキョーコをに触れて、決してせくことなくゆっくりと体重をかけてキョーコの体を暴いていったが、

(絶対に逃がしてくれないし…何度も、その……)

シーツの下の、何も纏っていない肌が昨夜の熱を思い出して火照る。

キョーコの熱が移ったのか、触れている蓮の肌が汗ばんでいく。

二人分の熱で上昇した周囲の気温に耐え切れず、少しでも隙間をあけようと蓮の胸を押したとき

「…痛っ」

体に走った鈍痛の、思ってもいなかった刺激に小さく声を上げる。

何で、なんて思うほどキョーコも子どもではない。

年齢はもちろん、昨夜キョーコは蓮の腕の中で「女」になった。

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