スキップ・ビートの二次小説で、蓮×キョーコ(蓮キョ)ですが2人の関係は公表されていない設定です。
旧ブログでは3つの話に分かれていましたが、ブログ移転に伴い1作品にまとめました。旧題は「仮定の話」です。
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「京子ちゃん」
俺の声に振り返った彼女はパッとキレイな笑顔を咲かせた。
デビュー直後から彼女のことを知っていた。可愛いなって思っていた。勤勉な彼女は様々な仕事をこなし、役柄によっては彼女に盛大にドキドキさせられた。そして……いつの間にか、彼女はとてもキレイになっていた。
「お久しぶりです、光さん」
すっかり有名になっても彼女は礼儀正しい後輩の姿勢を崩さず、きれいな所作で頭を下げる。
気遣いができる
料理が上手い
芸能界の中でも多くの人が彼女を好きで、誰もが彼女に話しかけようとして、まさにいまもきっかけを探してる。話しかけられることに俺は優越感を覚える。
「元気にしてた?」
「はい」
彼女は有名になっても礼儀正しい。その礼儀正しさが…今は寂しい。昔も今も彼女にとって俺は先輩、常に敬語で、俺と彼女の距離はずっと同じまま。
「さすが、社長主催のパーティは盛況だね」
仕事かパーティくらいでしか逢えない彼女。食事に誘おうと思いついたものの、上手くできず、『今日こそは』と考えるだけで何年も経ってしまった。
その間俺はずっと彼女を見ていた…だから彼女の違和感にもすぐ気づく。
「靴擦れができた?」
人をよけた彼女の仕草に違和感を感じて聞いてみれば、目の前の彼女はびっくりしたような表情を浮かべる。次の瞬間何でもないと装ったけど、そんな“大丈夫の演技”はすぐに分かる、それくらい俺は君を見てきた。
「先輩の目は誤魔化せないよ?」
茶化して言えば、彼女は降参を示すようにペロリと舌を出す。嗚呼、勘弁してほしい…めちゃくちゃ可愛い。心臓が煩いほど鳴っているのがわかる。
「ちょうど良いから座ろう」
タイミングよく良くできたカウンターの空席を指させば彼女は頷いてくれて
「良ければ捕まって」
「ありがとうございます」
差し出した腕に絡まる彼女の細い指。スーツ越しに伝わってくる彼女の温もりに心臓がまた強く肋骨を打つ。
「先輩の御手を煩わせて…本当にすみません」
短いエスコートの間でも彼女は謝ってばかり。気にしないで、と笑うものの心は痛い。
「座れる?」
背の高いスツールを引くと彼女は礼を言い、慣れた仕草で腰をおろす。
「何を飲む?」
「ジン・トニックを」
甘いものを好みそう、と勝手に思い込んでいたから。彼女の意外なチョイスに驚いた顔をしてしまったのだろう。
「最近はまっているんです」
照れ臭そうに笑う彼女にはバーで一人飲みを楽しむイメージがなくて
「ねえ、京子ちゃん」
― そのとき君の隣にいるのは誰? ―
「…最近仕事の調子はどう?」
<それ>が訊ける俺ならば彼女の隣にいれるのだろうか……いや、でも俺はやっぱり俺で、答えが知りたくなくて無難なことを聞いてしまうだろう。
「敦賀さんが相手役なのでとても勉強になります」
彼女は笑って近況を教えてくれるけど、”それ”は生真面目だからだよね?『彼』が先輩だから、だよね?
「本当に完璧な演技をさらっとするんですよ…本当に嫌になります」
嘘
何も役が憑いていない彼女は演技が……本当に、嫌になるほど下手くそ。「嫌になる」と口では言いながら『彼』のことを話すときの目が違う。声の甘さが全く違う。
「つる……「あ、お酒が来たよ」」
彼女の口からこれ以上『彼』のことを聞きたくなくて、「来た」といって遮るには未だ少し離れたところにいるウエイターを指差した。
「乾杯」
グラスを掲げる彼女の目に微笑む俺が映る。その瞳はいつも見ている彼女の瞳。嗚呼、これで満足すべきなんだ。この目に俺だけが映っているこの瞬間に
「乾杯」
同時に二つのグラスが傾く。
「美味しいですね」
その瞳に俺を映しながら微笑む彼女。嗚呼、このまま時間が止まって欲しい。希望を持って壁時計を見たら秒針は当たり前だけどしっかり動いていた。
「光さんの、可愛いピンク色のお酒ですね。好きなんですか?」
彼女が指さすこれはキレイだけれど、俺も滅多に飲むことはない。ただ、彼女が好きそうなパステルピンクだったから選んだだけ。
俺の予想通り彼女は夢見るような瞳でグラスを見つめ、手首を使って桃色の液体を揺らがすと彼女の瞳で桃色が煌めく。
どうか
どうかこのまま
時間にとまって欲しい
「好きなんだ」
君が
「そうなんですか」
彼女は嬉しそうに笑う
その瞳に俺だけを映して
「うん、好きなんだ」
好きだよ
せめて今だけは俺だけを見て
俺の手の中で光るカシスソーダが消えるまでは。
「甘そうで美味しそうですね」
君が傍にいるから、いつもよりとても甘く感じる。
「男の人も甘いお酒を飲むんですね」
楽しそうに彼女は、誰かを思い出しながら楽しそうに笑う。何も言えなくなった俺に代わって
カラン
グラスの中で氷が音を立てる。
俺の手の中の氷は俺の代わりに健気に沈黙を埋めてくれたけれど、水に変わったから桃色が少し薄くなり、グラス越しの景色が少しだけクリアになる。
彼女とともにいるこの夢心地もクリアに晴れる。
カラン
現実の足音が近づいて来るのが嫌でもわかる。
「あ」
儚い時を終わらせたのは彼女の小さな呟きと彼女の遠くを見る瞳。
彼女の手のグラスは透明な液体、桃色の夢の世界にいた俺と違って彼女はクリアな現実にいたことを教えられる。現実的な彼女の瞳は簡単に俺以外を映すんだ。
「どうしたの?」
気付かない振りをしてお酒をもっと飲むように勧めたが、明日も仕事があるといって彼女は断る。
「俺も早いんだ……お互い、大変だね」
グラスを揺らすと大分透明に近づいたピンクの液体が揺れる。俺の背後にいる背の高い男の影が映っては歪んでいる。
「大丈夫?…明日の仕事、そんなに飲んで障りない?」
今さらかな、と笑う俺の言葉に彼女は瞳に傷ついた光を宿らせるけど
「大丈夫です」
彼女はそういっていつも通り笑う。悲しみを隠すための儚くもろい仮面の笑顔。さっきまでの明るい笑顔はもう見れない。
「このくらいなら酔わないので」
それじゃあ飲めばいい。2
杯でも、3杯でも飲んで、飲んで飲んで酔ってしまえば良いんだ。酔って忘れてしまえば良い、明るかった君の笑顔を翳らせる『彼』のことなんて。周囲を女性に囲まれて笑っている『彼』のことなんか。
もっと酔って
酔って
酔って
眠りの世界に救いを求めてしまえば良い。
泣きたいならば俺の肩を貸すから、俺に寄りかかって全てを忘れてしまえば良いんだ。
「どうしてこんなに好きなんだろう」
― どうして『彼』なの? ―
……そう言えたら今頃違う未来を歩いていたのかな
「この仕事さ…休みは不定期、時間だって昼夜関係なくでしょ~」
おどけて言えば彼女は笑う。
一瞬だけど悲しみがない瞳で笑ってくれる。一瞬だけど……『彼』を忘れて俺だけをその瞳に宿してくれたから
「俺はもうこれで十分だな」
そう言って立ち上がった俺に彼女はキョトンとする。
『これで十分』なんて思えちゃうから俺は『彼』に勝てないんだろうな。俺は彼女の心に住む人にはなれない。ゆっくりと通り過ぎるのが精一杯なんだ。
「それじゃ、俺は明日があるから…良いよ、未だ足が痛いでしょ?」
慌てて立ち上がろうとした彼女を制する。それでも申し訳なさげな彼女を“先輩命令”といって制止する。そう、『先輩』が俺の精一杯、だから最後まで『優しい先輩』でいさせてよ。
「わかりました。それじゃあ、また」
「うん。バイバイ」
微笑む彼女に満足して、彼女に背を向けた瞬間に『彼』と目が合った。
「こんばんは、敦賀さん」
「こんばんは…ブリッジロックの……石橋、光さんですよね?」
羨ましいくらい艶のあるテノールボイス。彼が呼ぶ俺の名は俺の名前って気がしないくらいだ。
「初めまして、で良いですよね」
「ええ」
セクションが違うから彼と俺は初対面……そんな気が全くしないけど。
「こうやって改めて話をするのに違和感がありますね」
「そうですね」
驚いた!
どうやら彼も同じように思っていたらしい。彼の浮かべた苦笑いに、思わず俺も同調してしまった。
「彼女、と…何を?」
またまた驚いた!
どうやら彼も俺をライバルだと思っていてくれたらしい。彼の俺を探るような目、その目に宿る不機嫌さがそれを俺に教えてくれる。嗚呼、なんて光栄なことだろう。
「愛の告白をしていました」
「なっ!?」
芸能界一いい男が俺の言葉に動揺する。これは何ともクセになりそうな面白さだ。そういえば同じ年齢だっけと、思わず親近感がわいた。
「…なんて、ね」
俺はウインクするとスーツのポケットから絆創膏を取り出す。踊ったりすれば怪我をするから絆創膏は常備携帯している。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
彼は絆創膏を見ただけで「誰のため」と「何のため」がすぐに分かったらしい。そのスマートさを憎らしく感じたが
「新しい靴を卸したって嬉しそうにしてたからな」
ぽつりと呟いた、俺に聞かせるための自称・独り言。自分たちの仲をアピールするような台詞に、その大人げなさに、今まで抱いていた『敦賀蓮』のイメージがさらに崩れて親近感がわく。
この人でこんなに苦労するんだから恋愛成就は奇跡なんだ。
「それじゃあ」
1分も満たない会話だけどこれで十分。
俺は彼女から離れる方向に、彼は彼女の隣に向かって歩いて行った。
「敦賀さん」
スツールに座っていた彼女が俺の名を呼ぶ。嬉しそうな瞳の中にある翳りに俺の心が痛んだ。
彼女の100%の笑顔を見たい。瞳を翳らせた原因なんて解ってる。今の彼女が不機嫌ってことと同じくらい。
でもね……”あれ”は君が原因なんだよ?
君が男と話す姿に注意力が削がれてしまったんだ…なんて格好悪くて言えないけれど。それに、それを言ってしまったら君は『彼』のこと、お人好しなライバルのことを考えてしまうから。
「はい」
『彼』がくれた絆創膏がやけに重たかった。だから俺はさっさと彼女に絆創膏を渡してしまう。
「…ごめん」
彼女のために行動できる『彼』を見習って、絆創膏を渡す手に謝罪の言葉を乗せてみる。
「嫌な思いをさせたね」
「ズルい…そんなにすぐ謝るなんて」
彼女は俺を優しく睨み、ぷっと膨れる。プリプリと紡ぐ文句に混じる本音。人に対して一線を引きやすい彼女はずいぶんと俺に本音を言ってくれるようになった。それは嬉しい。でも
「敦賀さんはスキが多過ぎるんです」
それを君に言われたくない。そう言ってやりたいことも沢山できたりする。
「敦賀さんはもてるんですよ?」
君もね
「ちゃんと自覚して下さい!」
…君もね
「キョーコちゃん」
ねえ 君はどのくらい気付いてる?俺以外の男が、例えば『彼』のような男たちが君に向ける好意に
「ごめんね」
いっそのこと『彼』が嫌な男なら良かった。絶対に彼女が好きにならないような男なら、そうなら俺は彼女に「うかつに男と二人きりになるなって」言える。でも
責めて、責めて、責め続けて……最後に何が残るんだろう。俺が欲しいのは彼女の謝罪でも涙でもない。
「敦賀さん」
彼女の瞳が揺れる。俺がさせたいのは、俺が見たいのは彼女のこんな顔じゃなくって
「好きだよ」
「…ふえ?」
他の人に聞かれないように、彼女の耳元に口を寄せ甘く囁く。顔を離して彼女の顔をジッと見れば、次の瞬間にボンッと彼女は真っ赤になる
「ふえええ///!?」
……変な声。
「何ですかぁ、イキナリ!」
「ん? 急に言いたくなった」
別に急にってわけじゃあない。24時間365日、年中無休で想ってるけど……説明が面倒だから省くことにする。
「好きだよ」
だからずっと俺を見ていて
「好きだ、君が好きだよ」
他の人間に聞かれない様に小さな声で、でもしっかりと言葉で伝える。彼女の顔は真っ赤。俺は立ち位置を変えて体で彼女を隠す。こんな可愛い彼女、例え欠片でも他の男になんて見せてやるつもりは無いのだから。
「好きだ」
腕の中に閉じ込めて
「好きだよ」
想いを伝えれば彼女はふにゃりと、頬を火照らせて可愛く微笑む。嬉しくて堪らないというような嬉しそうな笑顔。
「好き」
そんな笑顔で俺を見てくれる君が
「好きだよ」
嬉し涙を浮かべて、その瞳に俺だけが映っているこのときが
「好きだよ」
だから俺の隣でずっと笑っていて
ずっと
ずっと
「好きだよ」
何度目かの言葉に彼女は俺の腕をグイッと引いた。腰がグッと曲げられて、彼女の目が近いと思った瞬間に耳に触れる彼女の吐息。
「私も…好き」
耳を撫でる甘い告白……まずいな。嗚呼、まずい…本当にまずい。今すぐ、ここで
「キスしたい」
「…バカ///」
「お休みなさい」
エレベーターが部屋の階について、ほろ酔い加減で気持ち良いまま別れの挨拶したら、グイッと強い力で腕を引かれる。前を向いたままの視界の中でエレベーターの扉が静かに閉まった。
「…敦賀さん?」
エレベーターで階上に運ばれる。中には私たちしかいない。点いているランプは敦賀さんの部屋がある階のボタンだけ。
「泊まっていって」
敦賀さんの言葉の意味は分かる。何となく茶化せない雰囲気だとも分かるけれど、
「敦賀さんも明日は仕事がありますよね?」
「…君は午後からだろ?」
今は一緒のドラマに出ている。恋愛至上主義のLMEは恋人たちに優しく、社さんと私のマネージャーの報連相はばっちり。私のスケジュールを敦賀さんはバッチリ把握している。ま、私もだから良いけれど。
敦賀さんの部屋のある階にエレベータが近づき、鉄の箱は原則を始める。敦賀さんが無理強いすることは絶対にない。だからNOと言っても問題はないけれど
「加減してくださいね」
善処するよ、と囁く敦賀さんの熱い声に背中が粟立つ。私は半歩敦賀さんに近づいて、目の前の扉が開くのを待った。
「大丈夫?」
熱い嵐からようやく解放されたものの未だ茹だっている脳に敦賀さんの声が響く。荒い呼吸を治められない私はただ頷いた。いつもは気を失うまでだから、こうして会話をできるだけ手加減してくれたって分かるけど
「良かった」
敦賀さんの熱が完全におさまっていないのも、敦賀さんのいつも艶めいていても涼やかな声に燻る熱で分かる……全く、この人は。
呆れた目を向ければ至近距離にある敦賀さんの顔は嬉しそう。笑顔は無邪気と言ってもいいのに……汗でぬれた髪がやけに色っぽくって、嗚呼、私の呼吸はまた乱れてしまう。
「飲み物とってくるよ」
頬にキスが落ちてきて、敦賀さんが部屋を出ていく。誰もいなくなった静かな部屋で、私は気怠い体に喝を入れて起こす。疲れ切って力の入らない腕はプルプル震え、気が抜けるとぐしゃっと潰れてしまいそう。戻ってきた敦賀さんにこんな醜態を見られるわけにはいかない。
体を起こして、脚の間の違和感を極力気にしないようにして、姿勢を整える。ホッと一息ついたとき戻ってきた敦賀さんがグラスを差し出してくれる。淡い琥珀色で炭酸の細かい泡、冷たいハイボールだと察した脳が体の渇きを訴え始めた。
受け取ったグラスを傾けて一気に半分以上飲む、火照る身体に冷たい炭酸の刺激が走ってほうっと吐息が自然と漏れた。ありがとう、と礼を言おうとして敦賀さんが見る視線と私の目線が絡まる。その目に宿った光に内心首を傾げると
「……誘ってる?」
吐息が色っぽい、なんて言われてヒュッと吐き出すはずの二酸化炭素が喉の戻ってくる。
そんな私の驚きは気にせず、満足させていないのかなんて破廉恥な台詞を吐く敦賀さんはスラックスを履いただけの上半身が裸。鍛えられた胸を堂々さらすその姿は目の毒って言葉を痛感させるほど色気満載。
「……もう少しシとく?」
いやいやいや。そんな『お替りどうですか?』って感じで聞かないで!いや、ロックグラスを置かないで!!こっち来ないで!!!
もちろん敦賀さんの温もりは嫌いじゃないけど………って、ちがーーう!!!
「キョーコ」
うひー!!! 覆いかぶさってきた敦賀さんの体重でベッドが軋む。至近距離にある敦賀さんの瞳の中の私も慌ててる。
「なんて、ね。明日は仕事だし、今日はもう十分」
「…へ?」
「あれ、期待させちゃった?そっちがその気なら俺は…」
「いえ!十分です!」
私はNOと言える日本人!きっぱり拒否すれば、冗談だよと言って肩を震わせて楽しそうに笑う敦賀さん。思わず『騙された』と膨れかけたけど
「ちょっと…君のことを独り占めしたかったんだ」
どうして?、と疑問を込めて敦賀さんを見れば、珍しく敦賀さんの方から視線をフイッと反らす。それなら疑問を口に出そうとしたら、いつの間にか布団の中に潜り込んだ敦賀さんの手が踵に触れてきた。
「…っ」
チリッとした痛みに思わず息を飲む。痛みに顔をゆがめた私に謝る。声音はいつも通りだけど、敦賀さんの反らした目は昏い…
「私、怒ってるんだから」
敦賀さんがパッと顔を向ける。その顔は驚き100%で、何か思い悩むような昏さが消えていたから満足。満足だから力が出ちゃう。
「え? うわっ」
思ったより強い力が出て私もビックリ。ベッドに引っ張り込まれた敦賀さんはきっともっとビックリ。
「だから今夜はここに居座るね……今夜はずっと抱きしめていて」
分かった、という敦賀さんの声はとても嬉しそう。顔もとても嬉しそう。長い腕が伸びてきて、温かい胸元に抱かれて、伝わってくる優しい体温に私も嬉しくなる。
敦賀さんが何を悩んでいるかは知らない。だけど『独り占めしたかった』という気持ちなら私も負けてない。
この腕を誰にも渡したくない。
万に一つの可能性だって、この腕が他の女性のものになってしまうことを考えることすら嫌。
嗚呼、あなたとの恋に私は完全にはまってる。
END
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