スポンサードリンク
「よお、お早いお帰りだな」
ビルの入口を開けようとすると背後からミックに声をかけられ、窓枠に腰かけ双眼鏡を手にするミックに呆れる。
「こりない奴だな」
「いつか努力が報われるかもしれないだろ?」
「寝言は寝て言え」
「カオリにかかったら全てが夢心地さ」
ミックの言葉に獠は笑って入口をくぐり、隠しパネルを開いてトラップを解除しようとして気が変わった。
「久々に頑張りますか」
海坊主直伝の香が仕掛けた最初のトラップに向き合って、予想より数分遅く自宅の玄関扉にたどり着くと
(お、間に合ったか)
古いボイラーが音を立てている室内ににやける口を押えて、足音を立てずに廊下を歩き脱衣所の扉を開けると
「グッドタイミング♡」
「獠!?」
それは湯上りの香が脱衣所に出てきたタイミング。
獠は香が驚いている隙に湯気を上げる体にタオルを巻いて、我に返った香の抵抗をものともせずに寝室に連れ去った。
コメント