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「兄上、義姉上に相談があるのですが」
「別に構わないが、ダリヤ先生に贈る腕輪のことならローザじゃなく私でも相談に乗れるよ。なんて言っても経験者だからね」
そういった兄がヨナスに何か指示を出し、それを受けたヨナスがカタログを数冊ヴォルフに渡す。
「早いですね」
「昨日の今日で婚約腕輪の話をするお前もなかなかな早さだと思うよ。急ぎでなければもう少し資料を増やせるが?」
「いえ、十分です。ありがとうございます」
頭を下げて執務室を出て行ったヴォルフの足音が遠のくと、
「賭けは俺の勝ちだな」
「やればできる子なのを忘れていたよ」
「だが、告白した日に婚約まで漕ぎつけたのは大したものだ」
「ダリヤ先生の負担が気にかかるね」
兄として焚きつけたことを謝るべきかと悩みながらグイードはため息ひとつ吐くと、ポケットから金貨を1枚出してヨナスに放った。
※告白後の二人については、「男たちと大切な遺産」にも出てきます。
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