東京クレイジーパラダイスの二次小説で竜二×司です(原作終了後、20歳前後の設定)。
2人の初めての話なので 大人向けとなっていますので、大変申し訳ありませんが閲覧は自己責任でお願い致します(イヤという方は読まないでください)。
”二人の初めて”は別バージョン「約束の日」もあります。
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キッカケは朝来から漂う香りだった。
朝来は甘ったるい香りが好きだと言っていて、そのふわふわの髪からはいつもバニラや桃など香りがしたのに、今日香るのは男用っぽいメンソールの香り。
「親父さんのシャンプーを間違えて使ったのか?」
「そんなわけないでしょ! これは嵬の家のシャンプーよ」
おかげで髪がパサパサ、という朝来は文句を言いつつ嬉しそうだった。
司だってもう20歳。
妙齢の女性が恋人のところから朝帰りすることの意味は重々承知している。
しかし、その手の話題は余り身近になかったから。
昔から付き合いのある朝来の、赤裸々な大人の事情は年毎の男女の生々しさがあって。
「何赤くなって…って、あんた…まさか、未だなの?」
「悪いかよ!? そういうのは興味ないんだ///」
「あんたはそうでも…竜二は絶対に違うわよ?」
(よーーーーく知ってるわ!)
中等部に進学したころから竜二の傍らにはよく女がいた。
露出度の高い女が絡みついても竜二は無表情だったが、『好きよ』とか『愛してるわ』と言いながらくっつけてくる女の唇をしれっと受け入れているシーンをよく見てきた。
「飲むか?」
ムカムカと胸に漂う未消化の感情を抱きつつリビングのソファに座っていた司に、いつの間にか来ていた竜二がマグカップを差し出す。
渋谷や他の組員がいるときは絶対にしないが、二人きりのときの竜二は司に珈琲を入れるくらいはした。
「ああ、ありがと」
機械が作ったのをただ運ぶだけなのだが、司に礼を言われるのが新鮮で嬉しかったらしい。
「”これ”、面白いのか?」
司の隣に座りながら竜二は顎でTV画面をしゃくる。
司がそっちに目を向ければ、見ていなかったバラエティ番組が大きな笑い声を残してCMに切り替わる。
暗い部屋の中月灯りを照明にして身体を寄せ合って踊る二人。
巷で人気の宝飾店のCMだと司は直ぐに気付いたが、寄せ合う二つ顔に浮かぶ同じ表情に司は目を奪われる。
女の頬に触れる男の大きな手
触れた手を合図に伏せられた女性の長いまつ毛
自然と重なる唇
「羨ましいってツラしてるぞ?」
竜二の言葉に司は驚いて目を瞠る。
竜二はニヤッと笑ってスイッと司の頬を撫で軽く上向かせると、驚いた司の表情を最後に竜二は目を閉じて顔を傾ける。
2つの唇が近づき、優しく触れ合うと瞬く間に深いものに変わる。
薄っすら開いた司の唇の間から竜二が舌を差し入れるとピクッと司の細い体が震えた。
竜二の太い腕が司の体を優しく、強く抱きしめる。
(羨ましい…そうか、俺は朝来が羨ましかったのか)
熱く脳を覆う甘いモヤの中に朝来の幸せそうな笑顔が浮かぶ。
まるで女神のように男の全てを受け入れ、人間の女と愛し愛され満たされている微笑。
- 俺の聖妻(ドゥルガー)になってくれるか? -
今はもう昔となったあのときの竜二の言葉。
聖妻は闘いの場において男の片腕であり、精神面でも男を支える杖となる。
(俺は…)
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胸元の添えられた司の手に胸を押された竜二。
それが『終わり』の合図だと分かっているから唇を離し、甘くドロドロに融けかけた理性を急いで固め、俯く司の髪に口づけた」
「もう寝ろ。それとも一緒に寝るか?」
からかう様にニヤッと笑った竜二は、『バカ野郎///!!』と繰り出される司の鉄拳制裁を避けるために身構えたが
「・・・」
柔らかい腕が自分の首に回り、キュウッと抱きつく司の行動は予想外で言葉に窮する。
(こいつが関わると冷静でいられた試しがない)
竜二は短く深呼吸をし
「俺の部屋に行くぞ」
司の長い髪に顔を埋める。
同じミント系でも、自分と違って甘く香る司の匂いを嗅ぎながら竜二は微笑を浮かべた。
それは、司が見られなかったことを心底悔しがるような微笑みだった。
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「使って来い」
竜二は赤い顔をした司を部屋付きのバスルームに放り込み、
ガタガタッ
バタン
けたたましい音の後に響いたシャワーの音に緩んだ口に煙草をくわえた。
「やばい…めちゃくちゃ照れる///」
火照る顔を冷ます為、司はいつもよりシャワーの温度を冷たくして、フルパワーで顔から浴びながらバスルームを見渡す。司の部屋に付いたバスルームより一回り大きなシンプルなバスルームには、いつも竜二の髪や身体から香る自分のよりもスパイシーなミントの香りに満ちていた。
冷静になった頭の中でさっきのやり取り、そしてこれから起こるであろうことの想像がグルグルと回り、はわわわわ、と司はバシャバシャと冷たいシャワーを顔に叩きつけていると
「おい」
「はひい!?」
不意にかけられた竜二の声に司はキョドリ不審な声を上げる。
「着替え置いとく。上がったらこれを着てこい」
何を?と尋ねる前に竜二が去ったので、司はそっとバスルームの扉を開けてバスローブを見つけた。
「気…利くじゃん、珈琲以上に」
司は笑って身体を拭くと素肌にバスローブをまとった。そして深呼吸ひとつ吐いてバスルームの扉を開けると
「遅い」
「へ?」
扉を開けきる前に至近距離から声をかけられた司は驚いた。扉の正面には同じバスローブ姿で壁に寄りかかる竜二がいて、竜二は無言で司に歩み寄ると、司の膝裏に片腕をいれ抱き上げた。「わっ」と驚きの声を上げる司の長い髪からは甘い香りがして、同じシャンプーを使ったはずなのにと竜二はフッと笑うと
「ぶっ」
数歩で部屋を横切った竜二は大きなベッドに司を放り投げる。低反発のマットで雰囲気にそぐわない声を出した司は体勢を立て直そうともがいたが、音も立てずに自分に覆いかぶさり影を作る司に大きな目をパチパチとさせ
「展開!! 少し早くないか?」
司の言葉に竜二は首を傾げ、司の両脇に手をつき司に伸し掛るかかるようにして司を覆う影を濃くする。
「全然。5年以上俺はこの時を待っていたからな…さっさと覚悟決めろよ?」
竜二はにっと笑って司の額から髪を退ける。竜二の言葉は挑戦的なのに、その瞳はとても優しかったから
「………腹、くくれた」
司はおそるおそる腕を上げて、両手で竜二の頬を包む。「ふうん」と鼻で笑った竜二は司の着ているバスローブに手をかける。怯えさせないようにゆっくりと、逃がさないようにしっかりと、唇を合わせながら器用に布を剥がしていく。
竜二の舌が司の歯列をなぞり、竜二の指が司のしなやかな筋肉をなぞる。羞恥で火照る熱を吐息で逃がす司に、竜二は手でなぞって体の動かし方を教えていく。
バサリ
少し重みのある音に司はふっと意識を上昇させると、何もまとっていない自分の体に気づいて反射的にうつ伏せになって体を隠す。竜二としては想定内の反応にニヤリと笑うと司の背中に舌を這わす。背筋を辿る熱い舌の感触に「ひああ」と司の喉の奥から声が上がる。
自分のものとは思いたくない甘い声を漏らさまいと司はシーツに顔を埋め、そんな司にお構いなしと竜二は無遠慮に司に触れる。マットレスと自分の体の間に入り込もうとする竜二の大きな手に「ひええええ」と司は慌て、咄嗟に大きな枕を抱き寄せてギュッと抱きつき
「ちょ、待て!展開早過ぎ!俺はどうすればいいんだよ!!」
「……どうすればって」
司の言葉に竜二は驚く。自分の体の下で艶やかな肌を晒す司がいて、羞恥と、本人は未だ認めないだろうが興奮で白い肌が淡く桃色に染まる。こんな状況なのに、黒髪を乱した司が投げつけてきたのは実に間の抜けた、今まで竜二が空いてをした世慣れた女が絶対言わない台詞。
この女は真っ白なんだと竜二は思い、湧きあがった歓びに自分で驚く。今まで竜二は女に処女性とか、さらに言えば貞節さえ求めたことがなかったが、どうしていいかアワアワと戸惑う司に歓びしか感じなかった。
「まず枕を離して、こっち向け」
司の細い腕を竜二は大きな腕でつかむと簡単にくるんっとひっくり返す。竜二の眼下に一糸まとわぬ肌を晒した司は「ひええっ」と奇声をあげて赤くなったが、次の瞬間体を駆け抜けた刺激に甘い声で呻いた。
「それでいい」
形の良い司の胸の先端を甘噛みし、柔らかい頂きを舌で転がしながら竜二は口元を歪める。未熟ながら強い刺激に反応する体。うめき声は未だ幼いが確実に女の艶を含み始めている。
「その調子だ…流石、勘が良いな」
闘いに長けた体は覚えが早く、荒い呼吸で胸を上下させる司の耳元で竜二は囁きながら相手を気遣う自分の口数の多さに竜二は内心で笑う。普段から口数の多い方ではない竜二は、閨の中では基本的に無言だった。女の方が圧倒的に乗り気だったということもあり、竜二が女に言葉をかける必要さえなかった。
「ん……」
白い肌がしっとりと汗ばんだ頃になると司は無意識に竜二の手を追うように体を動かすようになる。それに気づいた竜二は手を腹部まで這わせ、唇でその後を追う。くすぐったさに司は声を上げて身を捩り、目の前に迫った腰骨に竜二は優しく口づける。
舌と指で竜二は司を溶かしていく。ガチガチだった体から力が抜け、刺激を逃がすために吐息を漏らすことを司が覚え始める。運動神経が化け物クラスの司にとって自分の体が思いのままに動かないのは拷問のようで、体に巣食う熱を身を捩って荒い呼吸で逃がすことしかできなかった。そして頭が甘さでぼうっとしてきたころ
「少し我慢しろよ」
ボンヤリとした頭に響いた突然の警告。ハッとした司の意識が竜二の唇が自分の内腿に触れたのを察知して思わず体を震わせて
「う…嘘…」
竜二の唇の行き先を悟って慄いたが、反射的に逃げる前に司の腰骨を竜二の手が強く固定した。キャパシティを超える展開に司が戸惑っているすきに竜二は司の脚を割り
「うそっ!!」
司は声を上げ信じられない思いに火照る顔を腕で覆う。そこは自分でも必要以上に触れたことのない場所。そこに感じるぬるりとした舌の感触。
「ダメッ…ダメッ…」
抗うように司が脚をばたつかせるも、両脚の間に体をすえた竜二をどうすることもできず、現実を否定するように頭をイヤイヤと振りながら、竜二の指の加勢で倍以上に膨らんだ刺激に全身をビクつかせた。
「…キツ………力抜け…」
「…無理…むりぃ……も、やめ……ふっ」
抗う司を嗜めるように司の中の長い指が壁面を軽くひっかく。強すぎる刺激に司は呼吸もままならなくなり、ボロボロと大きな瞳から涙がこぼれる。ヤダヤダと全てを否定する言葉はもう意味をなさず、コントロールを失った体は好き勝手にビクつき、竜二の大きな体を挟むように拡げられた脚は上下左右に跳ねまわった。
(…もう少し、か)
司の未熟な体は根気強く熱と刺激を送り続けられたことで本能のまま反応する女の体に変わり、その体の反応を見逃さまいと注意していた竜二は司の体の反応から”そのとき”が近いのを感じ取る。くちゅりと指を抜いた竜二はそのふやけた指先で司の体の中心にねっとりと刺激を与えると
「だめ……やだあ! あああっ!!」
すごい勢いで迫ってきた真っ白の世界に、司は泣き声とも悲鳴ともつかない声を上げながら突き落とされた。
「おい…まるで無理矢理みたいじゃねえか」
嗚咽に肩を震わす司を見て竜二はため息をついた。そのぼやくような竜二の声は耳に届いたものの、いまの司には何も言うことはできなかった。羞恥で火照る顔をシーツに押し付け、さっきの醜態を忘れたいと心底思っていた。
(は……は、恥ずかしい///!まさかあんなこと………え!?)
ぐらっと体が傾いたのに驚いて咄嗟に横を見れば、ベッドマットに沈む大きな手のひら。驚きが落ち着く前に司の肩に熱い手のひらがふれ、軽々と仰向けにされると脚を開かれ竜二の大きな体が割り込む。
「もう少し慣らしてからって思ったが」
俯いた竜二の顔は影になっていて表情が見えなかったが、耳元で囁かれた言葉と共に耳朶を叩いた熱い吐息に司は体を震わせる。
「いれたい」
竜二が司に了承を求めているわけではなかった。それが司に分かったのは体の入口に熱いものを感じたとき。本能的に歓喜で震えた司の体が大きくのけぞると、司の胸が竜二の胸に押しつぶされて形を変える。それを合図のようにぐっと強い圧力が体に迫り、司が怯む間もなく体を開かれる。
体を貫いた激痛に思わずギュッと目をつぶり司は全身を硬直させた。限界まで押し広げられた入口は火傷したように熱かった。
「痛っ!」
今まで経験したことがない異質な激痛に司は顔をゆがめ、竜二の肩に思わず爪を立てた。緊張で体が強張り、竜二が少しでも角度を変えようと動くと司は震えた。
快感とは言い難いが全身をどろりと浸す歓びに朦朧とし始める竜二の意識に腕の中で小刻みに震える司が入り込む。なだめようと少し体を動かしても悲鳴が上がり、体が強張る。
「…悪い」
やがてその体が嗚咽で震え始めると竜二はハッと熱い息を吐いて呼吸を整えた。そのどこか途方にくれたような声に司は目を開け、涙で潤んだ大きな瞳を竜二に向ける。
トクン
見たこともない甘い視線に司の心臓が高鳴ると、司の目には竜二の体がスローモーションで動き始める。竜二の顔が首筋に埋まり、熱い息で思わず体を捩る。そんな司を護るかのように、竜二は両腕をベッドについて腕の中に司の体を閉じ込める。
「お前は痛えのに俺は……嬉しい」
静かに、でもしっかりと告げられた言葉。司の目に苦痛以外の涙が浮かぶ。『嬉しい』なんて10年以上一緒にいて初めて聞いた言葉だったから。
「それじゃあ一思いにやってよ」
「…痛えぞ」
「今更。とっとと全力でやってくれ。それとも…やめるか?」
「やめねえ」
竜二はニッと笑うと前置きなしで腰を動かす。油断していた司は押し込まれた衝撃にカハッと呻き、動き出した竜二の体に慌ててしがみつく。
馴染んでいない体の中で動くのは予想以上に体力を使い、竜二の背中に汗が噴き出す。手が滑り行き場を失った司の手は衝撃に耐えるためにシーツをきつく握った。
ギシッ
食いつくさんばかりに激しく司の体を開き竜二は動き続けた。頭を振って熱を逃がしながら、脚を揺らして衝撃を逃がしながら司は竜二の腕の中で乱れた。
「俺がいるのが分かるか?」
ぐいっと竜二の体が司の足を大きく開かせぴったりとくっついた感触に司は一際高い声を上げる。竜二の言葉に体を意識させられた司の顔が真っ赤になる。照れの極致のような司に竜二は笑ってまた動き始める。
「全力で…っていったのはお前だからな」
馴染みだした体は竜二の動きを助け始め、刺激が強くなった司の体は大きく揺れる。竜二の名を呼び、無理だと叫んで逃げ腰になる司を捕まえると、司の腕を自分の首に回させる。
「大丈夫…ちゃんと捕まってろ」
甘い声と優しい言葉とは裏腹に、無遠慮に強く押し付けられる熱い楔。逃がさないとでも言うように竜二の腕が司の体を抱きしめるから、唯一自由に動く両脚だけが跳ねて体の刺激に耐えていたが、さっき足を踏み入れた白い世界がまた戻ってきて司を包み込んだ。一際大きな悲鳴を上げてのけ反る体にきつく締め付けられた竜二は数回大きく動かしたあと司の後を追った。
「あ…あ…」
体を走る余韻に短く声を漏らしながらぼんやりとした目で司は竜二を見る。竜二の顔が司の両手で包み込まれ、竜二も片方の手で司の頬に優しく触れた。同時に近いた二つの唇が、先ほどまでの激しい交わりなど嘘のように優しく重なる。
「好……き……」
素直じゃない性格ゆえか、めったに言わない愛の告白をした司は気絶するように眠りに落ちた。そこに残されたのはまだ熱を燻らせる男一人。
「言い逃げか………こらっ」
汗で額にくっついた司の髪を優しく漉きあげ、寝息を立て始めた司に苦笑してから無防備な額に口付けた 。
END
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