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薬師寺涼子の怪奇事件簿

薬師寺涼子の怪奇事件簿の二次小説で、泉田×涼子です。

「原作の新作出ないな~」と思いながら、いつだったか原作者様が恋愛描写は苦手(好きじゃない)と聞いた気がしたので、糖分多めの二人を自給自足することにしました。

この手のチョコレートネタは多いですが、私の力不足ということで。

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「泉田君、あ~ん♡」

「何です、それ?」

「いいから口を開けなさい」

『早く開けろ』とゴリ押しするような涼子に泉田はため息を吐くと、まあ毒ではないだろうと腹をくくって泉田は口を開いた。

若干大きな粒が押し込められる様に口内に入れば、途端に口に拡がるカカオの香り。

「美味しいでしょ?」

涼子の質問に首を縦に振って応えていると、カカオの影に隠れていたワインの風味にも気が付き若干焦る。何しろ今は平日の日中、つまり勤務中なのだ。

(まあ、上官命令だから良いことにしよう)

「ごちそう様でした」

「気に入ってくれた?」

「はい。 でも、一体何だったんです?」

おすそ分けより毒見をさせられた方が理解できる。泉田の上司はそういうタイプだ。だから思わず疑う声がでてしまう。

もしかしたらとんでもないのは材料かもしれない、と庶民の泉田は慄いた。


( 払えないなら悪巧みに付き合えとか? ああ、地底人探しかもしれない )

「ねえ、泉田君」

「は、はい?」

「何、慌ててるの? あ、もしかして」

わくわくと顔に描いて涼子がにじり寄ると、その美しい顔が泉田のすぐ目の前に迫って来る。普通の男ならば目の前の美貌に動揺なり興奮なりするだろうが、涼子に対してすこぶる耐性の高い泉田には何てことなかった。


そう、無かった、『いままでは』

「ドキドキしてきた?」

「え!?」

己の狼狽を言い当てられた泉田が思わず大きな声を出せば、予想外の反応だったのだろう、涼子はちょっと驚いたあとでにんまり笑い


「惚れ薬入りなの」

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